FLSに乗ってみた

ソフテイルファミリーの中では特にリーズナブル価格を実現し、また無駄を徹底して省いたシンプルなバガースタイルが受けて現在大ヒット中のFLS(ソフテイルスリム)。ディーラーの店員さんも、今の売れ筋モデルの1つと太鼓判を押しているくらいだ。

基本スタイリングは、バガーと呼ばれるFLスタイルだ。前後ファットタイヤを露出する小型前後フェンダーが特徴的で、FLならではのゴージャスな感じを廃した姿となっている。ソフテイルフレームの恩恵もあり、その姿はかつての名車、ハイドラグライドを髣髴としている。姿だけで見れば、マフラーが1本出しのフィッシュタイプでも装着していれば、完璧なレトロモデルだ。近年主流のリアワイドタイヤではなく、144mmと割と控えめのサイズが選択しているのもクラシカルなポイントだ。

クラシカル風なモデルだが、随所に先進性が求められているのもポイントだ。リアにはテール一体型ウインカーを採用してスマートさを高めており、足回りには何とABSを標準装備。エンジンは現行ツインカム96にバランサーを搭載。リジットマウントながら不快な振動を大幅に低減している。安心してスピードに乗れるネオクラシックハーレーに仕上がっていると評価できる。

とにかく低い。悪くない

走り出す前に、まず跨って思う。「シート高が滅茶苦茶に低い……」。僕は身長175cmの男性で、脚の長さは短すぎず長すぎずだと思う。この体型で、膝が大きく曲がるほどのライディングポジションとなる。恐らくだが、150cm前後の小柄な人でも余裕に量の足がべったりと地面に付くのではないだろうか。跨った時の低さは、ヤマハのドラッグスター400以上に低く感じた。ちなみにスペック上ではソフテイルスリムのシート高は605mm、ドラックスター400は660mmだ。

その低いポジションとなれば、視線も当然低い。試乗している際はまるで地を這っているかのような気持ちにさせてくれた。ツインカム96Bの痛快なエンジンフィーリングも大いに体感できたはずなのだが、とにかく印象に残ったのは、低い目線だった。

足回りの性能には少々違和感を感じたが、これがいわゆるソフテイルファミリーの走行性に劣る面なのかと思われた。よく、痛快に走りたいのであればダイナ、カスタム派ならソフテイルと分けられるのだが、それも納得だ。ただ、「これじゃまともに走れない!」なんて不満ほどではない。十分といえば十分といえる足回りと僕には思えた。ま、この辺は人それぞれ評価のラインが違うので一概には言えないが。個人的には欲しいと思える1台だったよ。